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電脳選挙   一考   

 

 わが国の投票形態は任意投票制である。一方、世界には30箇国に及ぶ義務投票制の国があって、なかには罰則適用の厳格なウルグアイ、キプロス、オーストラリア、シンガポール、スイス、ナウル、フィジー、ベルギー、ルクセンブルクなどがある。違反者に対する罰則は罰金、入獄、選挙人名簿からの抹消など多様である。
 例えば、オーストラリアでは正当な理由なく投票しなかった有権者に対する罰金は約1800円、罰金の支払い要求に応じず起訴されて裁判で有罪となると約4500円の罰金が課せられ、加えるに裁判費用の負担も要求される。よって、オーストラリアにおける投票率は95%ほどを維持している。ルクセンブルクでの罰金はさらに高額で、初回は約13000円、6年以内に再度棄権すると約13万円と跳ね上がる。
 投票義務化への反論の主たるものに、「多数者による統治は民主主義の原則ではない」と云うのがある。曰く、民主主義の原則は全会一致まで合意形成を迫る政治意思の調整であり、「自由権」を前提にするのが民主主義である。従って、「投票を強制されない自由」を蔑ろにする義務化は民主主義に反する。
 しかし、投票する自由があれば投票しない自由もある、との対極的考え方には無理がある。自由権を如何に弁証させようが、投票するしないは対置されない。要するに、白票ならまだしも、棄権はなんらの意思表示にもなり得ない。わたしに云わせれば、棄権の実体は単に面倒なだけであるまいか。仮に棄権者が「投票しない自由」を口の端に掛けたとたん、それは詭弁になる。いずれにせよ、任意投票制と義務投票制にはそれぞれ一長一短があって、簡単に結論は得られない。

 今回からネット上の選挙活動が解禁された。今後徐々に投票率は上がるだろうが、いささかの危惧を孕んでいる。理由は岡田斗司夫さんが云う「イワシ化」である。群れるのが好きで、みんなが見るものしか見ない、みんなが選ぶ投票先しか投票しない。すなわち、与野党に関係なく、人気筋に集中する。好き嫌いが思惟の過多を占め、視座は固着され、視力は簡素化されて単眼となる。ネットの怖さはそのようなところにある。

 混合診療の解禁を口にするふたつの政党のうち、脱原発を公約に掲げたのはみんなの党。わたしの選挙区は埼玉ゆえ、行田邦子さんに投票した。ちなみに三郷は市議選も同時選挙だったが、わたしはそちらに詳しくない。よって、みんなの党へ投票しておいた。


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2013年07月21日 23:40に投稿された記事のページです。

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