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腎生検   一考   

 

 極度の貧血以外さしたる問題はなく、今回の入院は生理検査だけで退院できた。従って一泊である。生検は二度目だが、移植腎の拒絶反応や現疾患(わたしの場合は腎結石)の再発の有無、薬剤の影響などを評価する。
 エコーで移植腎を観察し、局所麻酔を施し、数回針を刺して腎組織を採取する。採取の後は15分間手で圧迫止血、再度エコーで止血確認後、6時間の安静が必要。最初の3時間はテープで圧迫するが、うち1時間は漬け物石を腎臓の上に乗せる。当然、6時間は溲瓶を抱えて我慢しなければならない。
 担当医は神澤さんと石郷岡さん。石郷岡さんとは臓器移植についてずっと喋っていた。参考になることが多かったが、いろいろ觝触するところがあってこちらでは触れられない。
 組織採取の針は人工透析のそれよりも幾分細い、ブロック治療の針とほぼ同じでないだろうか。採取する組織は、太さは鉛筆の芯ほどで長さは1〜2cmくらいである。肥満のため通常の生検用の針が届かない場合は全身麻酔による開放腎生検もある。なお、神戸大学医学部付属病院で2000年5月、腎生検の実施後に芦屋市の男性19歳が出血性ショックで亡くなっている。エコー観察が粗雑で、針が血管に命中したものと思われる。

 序でに、麻酔について一言。手術台に上がるとまず吸入器が口に当てられる。同時に点滴の中に麻酔剤が流される。数秒で麻酔は効くが、必要なあいだずっと麻酔剤は注入され続ける。注入を止めると10分ほどで目が覚める。
 麻酔が効くと自発呼吸はできなくなる。従って気管に深くチューブが挿入され、人工呼吸器が動き始める(調節呼吸)。チューブが挿入されると口腔はからからに渇く。何度も書いているが、この衝撃で鼻炎がすっ飛んでしまった。冗談だが、全身麻酔は慢性鼻炎の特効薬でないだろうか。
 入院費は一泊だったので26020円(うち食費420円、減額認定証によって1食210円)で済んだ。単純計算だが、一箇月の入院だと30万から40万円ほど、前回のように二箇月だと60万から80万円ほどの費用が掛かる。当然、高額療養費の規定によって自己負担金は軽減される。
 ただし、免疫療法は自由診療分が加算されるのでこの限りでない。わたしの場合、点滴1本につき10万円から18万円、さらに体重比で300万円ほど掛かることもあり、こちらは現金払いである。自由診療を受けるか否かは当方の自由である。わたしは一点につき、20万円を超える治療は受けないことにしている。

 朝食に「ご退院おめでとう」のカードと共に、赤飯が添えられていた。赤飯など何年ぶりだろうか。


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2013年07月09日 23:17に投稿された記事のページです。

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