烟草は完全に止めた、酒もほとんど飲んでいない。低塩分は当然として、これからの食生活の問題点は低残渣である。残渣は辞書では「溶解、濾過などのあとに残った不溶物。残りかす」となる。要は食事のあと腸に残る食べ物のかす、と解釈すれば結構。その残りかすが潰瘍と擦れて出血するのである。よって、極力低残渣の食品を食べれば良い。とは云え、低残渣食はわたしにとってまったく新しいカテゴリーで、一からの勉強となる。
かつて腎不全になったとき、食事のことで途方に暮れた。それを思えば低残渣食を簡単とは云わないが、決して難儀な問題とは思わない。以前のように、イモ類、ムギ類、イネ科、マメ科、タデ科、果菜類、根菜類、葉菜類、茎菜類(たけのこ類)、花菜類、山菜、藻類、菌類と分類し、片っ端から高残渣か低残渣か分類して行けばよい。
例えば、果菜類だとウリ科のキュウリ、スイカ、カボチャなど、ナス科のナス、トマト、ピーマンなど、マメ科のインゲンマメ、ササゲ、フジマメなどは若莢(わかざや)を、またダイズ(枝豆)やソラマメの未熟種子を、エンドウは若莢と未熟種子の双方など。根菜類だとアブラナ科のダイコンやカブ、セリ科のニンジン、キク科のゴボウ、ユリ科のタマネギやシャロット、スイレン科のハス、シソ科のチョロギ、オモダカ科のクワイなど。葉菜類だとアブラナ科のキャベツやハクサイ、セリ科のミツバやパセリ、キク科のレタスやフキ、アカザ科のホウレンソウやオカヒジキ、ユリ科のニラやネギ等々となる。野菜ひとつ取上げてみても、約1万種類と云われているが、普段食べる野菜は季節物を入れても100種類ほどである。
低残渣食の基本は、1日平均17g前後摂取している食物繊維を3g以内に制限することのようである。食物繊維専用の量りがあればともかく、みなさんはこの3gをどのようにして計量しているのであろうか。
腎不全に罹った最大の生活習慣は野菜不足とやら。しかし、罹ってしまうとカリウムが理由で野菜が食べられなくなる。それが今回は食物繊維でやはり食べられない。皮肉なものである。