成田一徹(本名成田徹)さんが亡くなられた。新聞によると、「8日の夕、都内の駅で脳内出血のため倒れて救急搬送、14日死去、63歳。」とある。血圧が少々高いとは聞いていたが、そこまでとは思っていなかった。もっとも、私自身、160から200の間を行ったり来たり、お互い何時死んでもおかしくなかったのである。
中島さんが書かれているように、成田さんとは母校が一緒だった。学生時代のはなしをしたおそらく唯一の友人でなかったか。成田さんが中島さんと共にですぺらへいらしたとか、身体が不自由になって店を続けられなくなり、失礼をいたしました。
「神戸は大震災で人肌の暖かみや歴史を刻んだ沈黙の声があらかた消えてしまった。その幽かな残り香を絵にしたいんですよ」と彼は語る。その残り香を宝石を拾うがごとく、彼は蒐集した。長田にはシャイなひとが多い。寂しがり屋であかんたれ、恥ずかしがり屋で照れ屋、だからこそ、そんな彼が大好きだった。