メドロール、グラセプター、セルセプト三種類の免疫抑制剤を服用している。他に健康保険が適用される同剤は四種類、その他の百種類を超える免疫抑制剤は健康保険の適用外。従って、用いようとすると数十万乃至数百万円の実費が必要となる。免疫抑制剤に関してはmoonさんが詳しい。
退院後、初の外来。次回の入院の計画は出来上がったが、概算三百万円の実費が必要となる。用いる免疫抑制剤は体重一キロにつき、四万円ほどかかる。わたしは既にそれぐらいの金額を今回の医療に注ぎ込んでいる。一方、医師は治療が目的だから、一千万や二千万円は平気である。そこで、医師と話し合いである。
仮に今回三百万円出費するとして、それでお仕舞いになるのかどうか、答えは否である、否と云うよりも個体差があって分からないが正確である。どうやら、わたしの身体は金喰い虫になったようである。
わたしは医師に礼を述べ、これから先の治療を拒否すると告げた。折角の移植手術が無駄になると医師は残念そうな顔付きだった。しかし、決めるのはわたしである。十秒ほど置いて、それが渡辺さんの意見ならそれを尊重するしかない。現在罹かっているサイトメガロウィルスは治さなければならない、大量の薬を頂戴し、次回外来を一日と決めた。
朝七時に拙宅を出て、帰宅は夕七時、丁度十二時間の迷える病院行だった。