柑橘系の一部を除いてジュースが飲まれるようになったのが嬉しい。烏龍茶、焙じ茶、麦茶、紅茶しか飲まれなかったのが一挙に花開いた感じ。季節が季節だけに小気味好い。
取敢えず、珈琲、牛乳、生茶、オレンジジュース、柘榴ジュース、サイダー、コーラを買ってくる。選り取り見取りの飲み放題である。わたしにとって大きな自由である。夢と自由は異なる。夢は心の迷い、夢は醒めるが、自由は自在、自由(ほしきまま)なり。透析治療中、このようなことが楽しまれるとは思ってもみなかった。
痛みがなせるわざか、しばしば透析治療へゆく夢をみる。腎臓が落ちそうになり、急遽透析へ駈けつけるのである。祈るような思いで街中を走り抜ける、やっと辿り着き、穿刺を受けるところで目が醒める。わたしの身体は透析を必要としなくなったのに、習慣はかような悪夢を繰り返す。否、悪夢ではない、どこかしら慕わしい甘酸っぱい心持ちすらする。