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身欠フグ   一考   

 

 東京で身欠フグが解禁されるようである。わたしは活フグ専門店で十年ほど働いていたので、フグは肝を引っくるめて頻繁に食していた。
 神戸には株式会社 ナガノが経営する「ふぐ政」が昭和40年からある。身欠が専門で、通販部門はてんだいフーズと云って明石市上ノ丸にある。設立時は専ら冷凍品を扱っていたが、あまりの美味さに愕かされた。冷凍技術は19世紀末の冷凍機完成以降のことだが、凍結品を融解して常温に戻す解凍技術が発達するのは案外と近年のことである。冷凍フグに関してはふぐ政が最初と思われる。扱いが身欠なので、当然食中毒は起きない。フグの価格破壊がはじまりそうである。

追記
 回転寿司でもっとも原価がかかるのはブリだろう。活フグはキロ一万円を上下しているので到底使われない。身欠でも現状なら不可能である。博多の寿司店はフグを置いているが、回転寿司ではもう少し企業努力が必要になる。関西はフグの取扱いが厳しく、人件費が嵩み値下げは望むべくもない。しかし東京が規制を緩和し、身欠フグの扱いを自由にすれば値は下がる。数年後にはフグが回転寿司の看板になりそうである。


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2012年03月21日 09:15に投稿された記事のページです。

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