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AO虚空   一考   

 

 東京へきてから四度目、明石を入れると五度目の内視鏡検査である。経口腸管洗浄剤が随分と飲みやすくなったように感じられる。何時もは少し残すのだが、今回は時間通りに飲み干した。大腸の方は術後の出血もなく、うまく片づいたようである。硬く縛った箇所は一箇月以内に千切れて便と一緒に流れるそうな。
 今は十三日の深夜だが、冷えた茶が滅法旨い。明日は九時二十分からヘパリンを替えての透析治療である。

 今回がはじめてではないが、内視鏡による施術は便利になったものである。喉頭から食道、胃、そして盲腸、結腸、直腸、肛門管に区分される大腸、要するに小腸を除く消化器官のごく一部の手術が開腹せずに可能になった。
 内視鏡はAO虚空に止まらない。棹の先から内視鏡を突っ込んで、尿管にバイパスを拵える術も明石時代に受けた。十九世紀なら考えられない科学の進歩である。
 内視鏡と共に注射針も細くなっている。注射針のサイズはゲージ(太さ)だが、通常使われる針が24から20ゲージ。管の内径は皮下注射用は0.6〜0.7ミリ、筋肉、静脈注射用は0.8〜0.9ミリ、輸血用には1ミリ前後のものが用いられる。病院で真っ先に穿刺される血液検査には22ゲージが使われている。一番細いのがインシュリンに用いる33ゲージで、これは日本にしか存在しない。ゲージ数が少なくなるほど太くなる。注射針を作る技術は日本が世界一で、どんどん細くかつ硬質なプラスチックに置き換えられている。ただし、血量を求める透析用は細くはできない。透析には17、16、15ゲージを用いる。20番台の針とはまるで異なり、直径が1.5ミリを軽く超える。刺すときのインパクトは大きく全身が硬直する、痛み止めがなければどうにもならない。20ゲージまでの注射針で痛がるのは赤子だが、16ゲージでも痛くないというのは変態、どうにもならないマゾヒストである。


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2011年12月15日 10:50に投稿された記事のページです。

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