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評価表について2   一考   

 

 個々の名称は前項の通りだが、次ぎに簡略に説明を付す。
 まず、血圧が上昇した場合、自律神経を介した反射性の制御によって心拍数が減少し、同時に血管が拡張して血圧は正常な範囲に保たれる。腎不全の患者の場合は往々にして高血圧症に罹る。血圧を下げる効果のある食品は多いが、カリウム、マグネシウム、カルシウムといったミネラルを多く含んでいる。そこで腎不全の場合にもっとも有効なのは酢である。
 次いで尿素窒素だが、透析効率を計るもしくは食事の内容や量を把握する目安となる。数値が上がると蛋白質の取りすぎ、下がると栄養状態の悪化を示唆する。
 クレアチニンは腎不全の進行度を示唆する。数値が食事によって変化することはないが、筋肉量や運動量の影響は受ける。透析効率の目安になる。
 β2-MGは透析アミロイド症の原因物質。透析歴が長くなるとアミロイドが肩や首の骨や関節に沈着、炎症を起こす。関節の運動が必要。

 ナトリウムは主に食塩の形で経口摂取され、身体の水分の保持や浸透圧の調節をする。腎臓の機能が低下すると尿量が減少し、体内の水分が外へ出ていかなくなるので浮腫(顔や手足のむくみ)になり、体内のナトリウムが水分で薄まって血液中のナトリウムは低くなる。水分の摂りすぎや血糖値が高いと低くなるので、塩分控え目の食生活が肝要。
 カリウムは本来は体内に必要不可欠なミネラルのひとつだが、血中濃度が上がりすぎると人体に重篤な悪影響を及ぼす。放置すると致死的不整脈を起こす。高カリウム血症は死に至る病態であり、定期的に心電図検査を行うべき。
 尿酸は多くの食品に含まれるプリン体が分解された老廃物。一定濃度を上回ると結晶化して結石になり、痛風の原因となる。ビールや烏賊に多く含まれる。腎不全の初期段階に顕れる。
 マグネシウムは心臓や血管の機能を維持するに欠かせない。腎障害はMgの高値をもたらす。市販の下剤や胃薬に必ず含まれているので要注意。

 ヘマトクリットは赤血球(血液の濃さ)の含有率を示す。腎臓が悪くなるとエリストポエチンという腎臓由来のホルモンが排出されなくなり、貧血が生じる。薬物療法または輸血しか手立てはない。
 ヘモグロビンは赤血球に含まれる赤い色素蛋白で、血液濃度を示す。低下すると貧血となり、身体は十分な活動を行えなくなる。
 血清鉄は赤血球の材料となる。数値が下がると内服薬や注射による補給が必要になる。赤身肉、レバー、鮪などに多く含まれている。
 フェリチンは体内の鉄量を示す。減少すると鉄欠乏性貧血の指標となる。逆に高値の場合は肝臓、脾臓、骨髄、心臓、肺などの炎症もしくは腫瘍を示している。

 白血球は細菌などが体内に浸入したときに、それらを退治する。従って、細菌感染や炎症によって数値は上がる。
 血小板は傷口を塞ぎ、出血を止める。透析中に用いる抗凝固剤(ヘパリン)の影響で減少する。内出血(青あざ)が表れたりする。
 C反応性蛋白は体内に急性の炎症や組織の損壊があると増える。他の検査と組み合わせ、病気の重症度や経過観察に役立たせる。

 カルシウムは低い状態が続くと副甲状腺ホルモンの分泌が促進され、骨が脆くなる。高いと骨以外への沈着(異所性石灰化)が起こる。異所性石灰化は血管、皮膚、関節などにカルシウムが沈着する合併症。
 リンはカルシウムと深い関係を持つ。リンを多く含む食品(乳製品、豆類、小魚など)の摂りすぎによって数値が上がると、カルシウム値が低くなる。結果、異所性石灰化を惹き起こす。また全身の痒みにも関係する。蛋白質を多く含む食品は比例してリンの含有量も多い。リン吸着剤の服用は必須。
 アルカリフォスファターゼは主に骨や肝臓の病気で上昇する。他の検査と組み合わせ、病気の重症度や経過観察に役立たせる。
 副甲状腺ホルモンは腎不全の場合、ビタミンD3の活性化ができなくなって数値は高くなる。骨のカルシウムを溶かし、繊維性骨炎をはじめ、骨痛、骨変形、病的骨折などの原因となる。さまざまな場所へカルシウムが沈着(異所性石灰化)し、動脈硬化、弁膜症、関節炎などを惹き起こす。亢進すれば手術が必要。
 アルミニウムは骨や脳のなかに蓄積され、認知症などの合併症を起こす。井戸水や市販の胃腸薬に含まれているので、要注意。痔の手術でも用いるので、腎不全の患者には危険である。

 血清総蛋白は血液中に含まれる百種類以上の蛋白質の総量で栄養状態を計る目安となる。腎不全の患者の場合は身体の水分によって薄められ、数値は低くなる。
 アルブミンは血液中の蛋白の60パーセント以上を占める。栄養状態が悪くなると減少する。
 総コレストロールは動脈硬化の原因となる。数値が上昇すると高脂血症になる。
 中性脂肪が高くなると肥満、脂肪肝、動脈硬化の原因となる。菓子、ジュース、果物などの摂りすぎに注意。
 高比重リポ蛋白は善玉コレストロールとも。喫煙、肥満、運動不足、糖尿病などが原因で低くなり、動脈硬化を伴う病気につながる。
 血糖値は血液中の葡萄糖の量。高血糖が続くと糖尿病の引き金になる。血糖値が高いとは代謝に異常があるということ。血糖値が高いと善玉コレステロールが低くなったり、中性脂肪が高くなる場合が多く見られる。余分な血糖は血管が炎症を起こす原因となり動脈硬化も進む。ちなみに、糖がたっぷりの清涼飲料水、例えばコーラや珈琲を毎日大量に飲むだけで容易に糖尿病性ケトアシドーシスのような重篤な疾患を起こしうる(ペットボトル症候群)。
 ヘモグロビン エーワンシーはヘモグロビン(血色素)の一部が葡萄糖と結合したもの。糖尿病における血糖コントロールの指標となる。

 総ビリルビンは肝臓、胆嚢の病気で数値が上がる。黄疸の原因となる。
 トランスアミナーゼは心筋、肝臓、骨格筋、腎臓などに多く存在する酵素。それらの臓器の細胞に異常が起こると高値になる。肝臓障害、心筋梗塞、溶血などを診断するうえで、重要な手懸かりとなる。
 GPT(トランスアミナーゼ)は肝細胞の異変に反応する。肝臓、胆道系の病気の診断に欠かせない。
 γ-GTPは肝炎や結石などで胆管が閉鎖されたとき、あるいはアルコールで肝臓に障害が起きたときに数値が上昇する。GOT、GPT、γ-GTPは薬剤の副作用によって肝臓の異変を判断する指標になる。
 アルカリ フォスファターゼはγ-GTP同様、高脂肪やアルコール、薬物の副作用によって数値が上がる。
 乳酸脱水素酵素は悪性腫瘍、肝臓病、心臓病、血液の病気などで数値が高くなる。
 コリンエステラーゼは肝臓が蛋白を作り出す能力を計る。脂肪肝になると上昇し、肝臓の病気では低下する。

 以上は二週間毎の血液検査だが、他に三箇月、半年、一年の間隔での検査がある。


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2011年11月01日 04:17に投稿された記事のページです。

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