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非凡な若人   一考   

 

 あまねさんと土屋さんが来店。フロマンタルの「10ぴきのペンギンくん」を頂戴した。仕掛け本で制作はフランス、二箇所ほどわたしが友情出演しているようである。
 福島の原発から小沢一郎に至るまですぐれて文学的な話になった。良く調べている、何時もながら感心させらる。
 それにしても、ふたりは仲が良い。読書は趣味を後生大事にしていては進まない。理解できない書物に出遇うたびに自己解体が必要になる。本は読めば読むほどに自分というものが増え続け、徐々に溶解してゆく。種村さんの云う怪人百面相の世界である。ふたりにはその辺りの消息が分かっている。若い人で驚かされるのは決まってこのふたりである。
 あわよくば、スタイルといったものを持たずに育って欲しい。出鱈目結構、ちゃらんぽらんでなければ「仏宇陀の海」も政治も理解できない。事象の海そのものが文学である。書物のはなししかできないような片輪者には育ってもらいたくない。東京へ来てはじめて非凡な若人と出遇った。


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2011年07月15日 22:00に投稿された記事のページです。

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