五度続いた尿検査は尿路結石で落ちが付いた。誰もなにも云わないので、看護師にむりやり問い質した。血尿の理由は腎結石だと最初から云っている、当方の見立てを信じればよいのにと思う。結局、新たな癌は見付からなかったようである。わたしの剣幕が過ぎたようで、医師に悪いことをしたと思っている。
ところが、尿検査が済んだと思ったら、今度は検便である。よほど興味を抱かせるに足る身体のようである。憩室からの脱血が怖いので、普段から便には注意している。そしてもっかのところ、異常はなにもない。
今日は定例の心電図とヘパリンが適正かどうかの検査で血を抜くという。検査を引っくるめて週一回以上、血を抜かれている。以前はナーバスになっていたが、最近は造血されているのを知ったので、いくら採血されても平気である。
透析をはじめて八箇月になるが、最初の予想とは随分と異なる。エリスロポエチンが生育され、尿も1.2リットルほど出ている。看護師に云わせると、腎臓のどこかの回路が一本だけまだ繋がっているのでないかと。未練がましい身体である。