腎臓は血液を濾過する臓器で糸球体と尿細管から構成されている。一日1500リットルの血液を濾過し、150リットルの原尿を作り出し、約1.5リットルの尿を排泄する。大きく別けて六つの働きを持つ。老廃物の排泄(尿素窒素、クレアチニン、尿酸など)、水分量の調節、電解質の調節(ナトリウム、カリウム、リン、カルシウムなど)、血圧の調節、ビタミンDの活性化、造血ホルモンの分泌(エリスロポエチン)。
腎臓病になる理由としては、慢性糸球体腎炎、多発性嚢胞腎(遺伝による)、糖尿病性腎症(高血糖により糸球体が傷む)、腎硬化症(高血圧、動脈硬化により糸球体がが硬くなる)、その他がある。その他には腎結石の他、膠原病やアルポート症候群、バーター症候群等々、遺伝子系の疾患が含まれる。
腎不全の原因は上述したように、慢性腎炎、嚢胞症、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病が挙げられる。生活習慣病は食生活からくるものが大半だが、なかには遺伝ないしは体質由来のものもある。上記その他に含まれる疾患の場合は生活習慣病が理由にならない。
腎不全の症状は上記六つの働きと同じだが、高血圧、貧血、骨粗鬆症、尿毒症などが挙げられる。尿毒症は頭痛、怠さ、嘔気、食欲不振、呼吸困難、出血症、浮腫、それと例外事項になるが、わたしが苦しめられたブラックアウト(急激な血圧低下)などがある。
腎不全になる患者の七割が糖尿病性腎症で、その数は増え続けている。ごく一部の例外を除いて、生活習慣病が理由である。禁煙や食生活の改善によって避けることが可能。腎不全に至るには数年あるいは数十年の年月が掛かる。訊ねるに、痛みがないので捨て置いたと異口同音に応える。いかに自己責任とは云え、糖尿病から透析に這入る患者の九割以上は透析にまで行く必要はどこにもない。ところが透析をはじめてすら、好き嫌いを口にするひとがいる、何をか云わんや。