Google マップでですぺらを検索。麻布鬼瓦という方が「稀有の酒場」と題する文章を掲げておられる。以下に無断で引用させていただく。
此処に絶望の淵を彷徨える老いたる男の酒場が有る。
柳生新陰流の使い手の如き鋭き眼差しは、瞳の奥に妖しき炎宿るも、時に憂いに其の火が揺らぐ。
分厚き大谷石のカウンターは、鉛ガラスの盃に恰も軟らかき欅の如き弾みを与え、柔かきダウンライトはカスクのモルトに時の醸す光を与える。
白髪のバー・マスターは背負いし己の歴史に疲れ、虚無の心に弄ばれながら、今宵もモルト酒を守る僧院の衛視の如く丹念に酒瓶を磨く。
今宵珍侘の酒に酔いしれんとするものは、集うべし。
はたまた、バー・マスターの手塩に掛けて作り置きし鴨の燻製を食すべし。
其の姿、飽くまでルビーの色香を纏い、そのヒッコリーの如き燻煙の香りに驚嘆するであろう。
どのようなお方か存じ上げないが、書かれたわたしはいたく恐縮しそして喜んでいる。葉巻に一家言をお持ちと察するが、次回来店の折はぜひ声を掛けていただきたい。