名前は伏せるが、店の客の家人が透析をはじめた。糖尿からの透析なので血管が細くて脆い、従って腹膜透析にしたようである。他にもバルーンカテーテルを用いたPTAや人工血管によるブラッドアクセスなどがあるが、腹膜透析が無難であろう。ただし、三年ほどしか持たないのが腹膜透析の欠点である。わたしが通うクリニックにも糖尿の方は多いが、止血が思うにまかせず困っているようである。通常止血は十分だが、糖尿患者の場合は十五分ほど見ている。それでも血が吹き出る。血管が脆くなっているのが理由だが、見ていて可哀相になる。
わたしのように腎臓の病気で機能そのものが損壊してゆく場合は仕方がないが、糖尿の場合はクレアチニンが2.0までに自覚症状が顕われる。其の後は食事制限で元に戻すことが可能である。ただし、家族の協力が欠かせない。糖尿患者を前にして野菜の煮物や野菜サラダ、フルーツを食していては駄目である。総出で食事制限に参加しないといけない。糖尿病が生活習慣病と云われる所以である。
糖尿病患者が末期腎不全に至る理由の過多は家人の非協力と理解のなさにある。そしてもっとも大事なのは本人の意志である。食事量を減らすことと病人食を試みる、その二点だけでも病状が進むのを防ぐことが可能である。それと月一回の血液検査で過剰摂取がでたものは控える、そうすれば透析にまで進まないはずである。