病院で居残りになった。血圧と体重に異常値が出たのが理由である。体重はともかくとして、血圧は高い方が100を切った。わたしにとっては問題にもならないが、医学的にはそうでもないらしい。月曜日の血液検査でもおかしいところは見られない。また血圧は透析の最中に計六回計る。今日はもっとも高かった数値が113、だとすれば96ぐらいに落ちるのは当然だと思う。
ヘモグロビンは赤血球の中にあるタンパク質だが、とりたてて異常はなかった。しかし、わたしは最も気にしている数値である。輸血は失われた血液を全量補うわけでない。生きてゆくに最低限確保できれば成功である。後は身体が血液を造ってくれる。人の細胞はことごとくが新陳代謝で、血液も三箇月ほどで入れ替わる。しかし、腎臓が機能していないと血液は造られない。補充のために、定期的な輸血が必要になるかもしれないと医師から云われている。況や、憩室からの大量出血があればどうにもならない。だから用を足すときには注意しているし、ヘモグロビンの数値にも気を遣っている。
腎不全の患者は高血圧になる、ところがわたしは同時に複数の病に罹った。従って血圧が低い。医師は機械的に降圧剤を飲めと云うが、わたしは自己判断で降圧剤を飲んだり止めたりしている。そうでもしなければ血圧は90を切るどころで収まらなくなる。血圧が70の50を切ってなお、車で走り回っていたことを思えば、なにが異常なのか、わたしにはさっぱり分からない。