月曜日の内視鏡検査は朝の九時から四時まで掛かった。痛みがひどく、動かれるようになったのは夜の十時を回っていた。三度目の検査などで高を括っていたが、憩室が拡がっていて激痛を伴うものになった。ポリープはまだ癌化しておらず、除去を薦められたが、さして急ぐものでないと判断した。ただし、憩室は大腸の左右に均等に拡がり、手の施しようもない。その憩室に内視鏡の突端が引っ掛かるのである。看護師が二人付き添って下さったが、一人が医師の指示によってわたしの腹部を順次押さえ、もう一人はわたしの手を握りしめていた。こんなことでもなければ看護師との接触はないと思いつつ、彼女の手を強く握り返していたが、嬉しくて泣いていたのか、痛みで泣いていたのか定かならず。内視鏡は非常時以外ご免蒙りたいと思った。
かつての憩室からの出血を執拗く訊かれ、二十一単位と応えたところ、医師は愕いていた。普通なら出血多量で死んでいたと。非常事態に陥ると、ひとは自らの生死の限界点が分かる。要するに身体の状態に応じて生への諦めが付くのである。死にそうとか死んでも良いなどと云う恣意的なものでなく、死んで行くんだなあと云った、ただただ受動的な感慨である。
今日は心胸率のレントゲン。わたしの心胸率は4.1なので、体重を一キロほど増やせばどうかと云われる。摂取する水分が規定を越えているようである。小便が出ているあいだは酒を飲んでも構わないと云われたので、週二、三本ギネスビールを嗜んでいる。体重が増える理由のひとつだそうである。そして刺身が祟ってリンが増えてきたようである。少々控えるようにと勧告を受ける。酒にせよ、刺身にせよ、嗜好品に関して医師は止めろとは決して云わない。リンが増えていますねとか、カリウムが増えていますねと云うだけである。あとはそちらで判断しろと云うことらしい。もっともな意見表明である。
拙宅のパソコンがネットに繋がらなくなった。最初からだが、光フレッツとは相性がよろしくない。おそらくケーブルだと思うのだが、別に繋がらなくてもどうと云うことではないので捨て置いている。従ってメールは店で確認している。