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蜉蝣   一考   

 

 先日、ナベサンへ行く。ナオさんのアナーキーな声が久しぶりに聞きたくなったのだが、新宿ゴールデン街へは今年になってはじめてである。例によって学生運動の闘志と思しき先客がいた。「彼らは団塊の世代といわれるが、僕は風がふけばすぐ形が変わる『砂山世代』だと思っている。革命を叫んでおきながら、エコノミックアニマルになったり、市民運動家になったり。雰囲気にあわせて姿かたちを変える世代だと思う。つまり典型的な『マス(大衆)』なんだよ」と云ったのは西部邁さんだった。
 生憎といらしたのは団塊世代でなく、さらに若い世代だった。はなしの内容は赤軍派のそれだったが、要するに観念としての学生運動を弄んでいる世代である。近頃、この種の観念論者が増えてきた。彼等は学生運動に限らず、なべて観念で済ませようとする。この場合の観念論は難しいはなしではない、わたしが云っているのは「現実ばなれした頭の中だけでつくり出された理想論」を宣う人々のことである。言い換えれば、バーチャルの世界を生きる人たちと云えようか。
 わたしは経験至上主義ではないが、と云って経験に基づかなければ類推のしようがないではないかと思っている。昔流行った「原点」とは若い頃に出遇い、深くこころに刻み込まれた風景であり、心象であり、体験だった。その経験すら持たないとすれば、それは「砂山」を通り越して「蜉蝣」のようなものであろうか。ナオさんの爪の垢でも煎じて嚥めと云いたくなる。


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2010年09月27日 22:51に投稿された記事のページです。

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