誉めるのは簡単なのですが、誉めただけでは済みますまい。と云って自分の意見や考えを率直に述べるのは難しいですね。どちらさんも本人が居ない場では云いたい放題ですが、本人が居ると途端に態度が変わります。オマージュしか書かないなどと云うのは真っ赤な嘘で、みなさん腹に一物も二物もあるようです。偽善との言葉はなんのためにあるのでしょうね。
意見を率直に述べていると、回りは敵だらけになってしまいます。編輯者が最後まで黙っているのは理由があってのことなのです。他方、書き手はみなさんそれなりの自信をお持ちです。自信があるというより、誉める編輯者が理解ある編輯者で、誉めない編輯者は文学が分かっていないとなります。今回はきっとご立腹かと案じておりました。食い下がられた場合、どう対処しようかと悩んでいたのです。
質問の類いは答えを拵えてから訊うのが常で、応えが想定外の時、ひとは食い下がります。いや、そうではなくこうなんだと、だったら最初から質問など試みるべきでないと思うのです。これは割烹の作法と同じで、割烹で出てくる料理にチョイスはありません。想定外の料理すなわち出会いを求めてひとは割烹へ行きます。それが一期一会です。一期一会が嫌な方は、定番といわれる料理を置いている食堂か居酒屋へ行けばよいのです。この消息はショットバーでも同じです。決まった酒を飲まれる方にショットバーは不向きです。
いずれにせよ、これで玲さんとのあいだにあった垣根がひとつ外されたように感じています。酒は飲まれませんが、美味い刺身を馳走させていただきます。機会を設けてください。どうもありがとう御座いました。