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とどのつまり   一考   

 

 いかなる人であろうとも、何かを著そうというからには著すべきなにかを持っている。作品を読んでそのなにかが窺えない場合、理由はふたつある。ひとつは表現が稚拙な場合、いまひとつは表現すべきなにかが未分化である場合である。
 わたしは斯く斯くしかじかの人間で、と云った自注が必要な場合、その因果関係は双方にあると思われる。
 わたしは学校へ行っていないので分からないが、多くの人は学生時代に喧喧囂囂たる論議を経験するようである。そうした議論の繰り返しのなかから徐々に個体として分化されてゆく。
 当掲示板はすこぶる生臭い掲示板で、死を迎えた老人が未だにぶつぶつ文句ばかり云っている。きっと現在がわたしにとっての学生時代なのかもしれない。偶には目の醒めるようなクリンチもあったが、それは相手次第である。正確には目が醒めるのは常にわたしであって、相手側ではない。
 わたしもかつて連載の真似事を試みたことがあった。ただ、読者を近在に託したことはない。自分が書いたものなど他人が読むはずもなく、況や理解など望むべくもないからである。文章を著すとは、宛先のない小包を送り続ける作業に似ている。せいぜいが美辞麗句に飾られたおよそ中身のない礼状が送られてくるのが関の山。わたしは自ら書いたものが例え誉められても嬉しくもおかしくもない。そのようなことが理由で掲示板を続けているのではない。
 掲載誌であれ著書であれ、自ら送ることはあっても、それが読んでいただけるものかどうかは分からない。そのようなことは強制すべきことではないからである。また、自身礼状を書くのは不得意である。従って送られて来ないことを願っている。どうあっても必要なら自費で購入する。ところで、今のわたしに必要な書冊は腎臓に関する本だけである。


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2010年07月07日 03:25に投稿された記事のページです。

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