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続同人誌   菊坂澄江   

 

渡邊さんが腎臓なら、わたくしはさしづめ脳です。脳というのは体の中枢ですが言語野でもありますから、そこのところをうまく言い分けることはできません。わたくしは異常なんで、異常でない様に書いていると言えるかもしれません。そういう意味では、不満の捌け口をわざわざ隠しているように感じられるかもしれません。それはわたくしの弱さに通じると思われますが、内心はアンビバレンツに晒されております。わたくしは前の二作をお送りしましたときには、こっぴどく何か言われることは覚悟しておりました。ただ寧ろおっしゃらないというところに、反感があるのだと思っております。それは感得しております。その興味をもたれない種類の小説だということだと思われますが、小説そのものに興味を持たれてはいらっしゃらないのか、いや、そういうことじゃないのでしょうが、渡邊さんの前に誰が自信などもてましょうか。わたくしの脳は異常なので、そこに拘っているのであって、二重三重の複雑な思いは理解されないものと思ってはおります。妄想的な何かを書けば脳についてなにがしか書いたということには単純にはなりますまいが、わたくしが異常を隠しているようなのは、わたくしの内心としては綱渡りなのです。このことはわたくし個人においては特別な立場なのです。やはり先人は病気ではないので『妄想』などと題したということもできると思います。でもやはり正しい狂気に憑かれているという風にわたくしなどは感じてしまうのです。わたくしは不用意に文芸学の徒に勘ぐられることを避けているだけかもしれませんが、わたくしがおかしいということは知られていても、わたくしの小説様のものがおかしいと言われないようにしている、けれどもホームドラマではない何かを書きたいという思いもあるのです。まさに綱渡りなのです。御託を並べてしまいました。わたくしは脳が悪いのです。これだけでもう薄気味悪いものをお感じになられると思います。これはわたくしの特殊な立場です。不満がないわけでは全然ないことはおわかりいただけるとは思いますが、小説に不満を反映させているかと言うと、単純にはそうは言えないということになります。小説というジャンルをやはりわたくしは好んでおります。ただ病んでおりますところは脳ですから。とくに言語に観念的にかどうか知れませんが、傾いているのは確かかもしれません。どうも失礼いたしました。やはり人には隠された思いがあるのだと思っております。病んだものからすると、普通のものは美しいのです。ほとんど送るなと言われているようなものですが、お送りするかもしれません。まだ決めかねておりますが。


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2010年07月06日 03:20に投稿された記事のページです。

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