今度入居した四階建てマンションは不動産屋によると鉄筋コンクリートだそうだが、実体は旭化成のヘーベル(軽量気泡コンクリート)だった。「水に浮くコンクリート」で周知であると、先程クーラーの設置に来た電気屋さんから教わった。コンクリートだと穴開けに一万五千円掛かるが、ヘーベルなら無料とのこと。言葉通り、二、三分で深さ十センチの穴がいとも簡単に開いた。近頃は高層マンションにもヘーベルはよく使われているが、なるほど細工にいろいろと便利である。
わたしは成人してから七度転居しているが、その度にクーラーを購入している。昔はなんでこんなに五月蠅いのと思うほど、騒がしかったのだが、今回のそれは風切り音のみ、傍で騒いでいるのはパソコンのモーター音である。
クーラーのお陰でむくみと痒みが少しはましになるかと思っているのだが、家にいる限り失神からは逃れられそうである。