宮城の横を抜け、半蔵門から新宿通を曲がって麹町の駐車場へ入いる。従って土曜日を除いて、連日マラソンの群れと出遇う。特に新宿通にはマラソン向けのスポーツセンターとやらがある。脱衣場とシャワーがセットになっただけのものなのだが、夕刻ともなるとあでやかなショートパンツに履き替えたひとたちがぞろぞろ這い出してくる。いまや、宮城の回りはマラソン人で押すな押すなの大盛況である。
ここには大人や権威に対する怒りや反抗はない。マラソン人である以上はシリトーぐらいは読んでおけと云いたくなるほどに、平和で充足した表情が濫れている。誰が決めたかしらないが、全員が時計と逆回りにまわっている。一人ぐらいは時計回りに回る天邪鬼がいてもよさそうに思うのだが、絶えていない。
先日も「群れ」で揶揄したのだが、どうしてこうも人は群れたがるのか。お陰で元赤坂の御用地の回りは静かになった。かつてはあちらにもマラソン人がいたように思うのだが。