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超末期腎不全   一考   

 

 めまいや失神発作などの脳虚血症状に困惑させられている。また、同発作を伴う不整脈はすこぶる危険である。それは分かっているのだが、因果関係が不明で、主治医も小頸を傾げている。
 先日、山崎医師と話していて腎不全の患者は造影剤が使えないことに気付かされた。脳のMRIを撮ろうかというところで気付いたのである。造影剤は尿として体外へ排出されるが、腎機能が痲痺しているために排出されず、それどころか一気に悪化するようでる。末期腎不全がさらに悪くなると超末期腎不全とでもなるのだろうか。いっそ即死なら腎不全も浮かばれように。買ってきた腎不全の本に即死に関する記述はなかった。
 いずれ死ぬのだから大部は平気なのだが、一抹の不安もある。はじめて革靴を履いたときにさぞかし足が痛かろうにと憶測する不安と同種の不安である。
 長生きしてもあと四年とか三年とか云われてはや十一箇月が経った。身体が負っているダメージは確実に大きくなっているが、まさか自分がこのような緩慢な死に取り憑かれるとは思ってもみなかった。人生とはある意味意外性の連続なのかもしれぬ。巧く表現できないが、あまり苦しまずに死ねたらなァと人並に思うこと頻り。
 もっとも輸血の際に生死の境は彷徨っている。ナオサンと語らっていて看護師からこっぴどく叱られた。面会禁止なんですよ、あなたは重篤なんだからと。


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2010年06月10日 03:07に投稿された記事のページです。

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