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冬至の薔薇   一考   

 

 オークションはまたも完売、今日は発送の日である。最近は日曜日にも店へ出ている、梱包のためである。別けて処理しないと身体が持たない。荷物を持って向かえの運送屋へ三度の往き来で呼吸は乱れ、吐き気がひどくて座り込んでしまう。山崎医師の「掻痒感や易疲労感が増悪していますので、早急な透析導入を御検討下さい」の言葉が身にしみる。医師に云われるまでもなく、体調は最悪である。食器を洗っていてすら目眩いに悩まされる。
 先日の血液検査で山崎医師はあまり乗り気でなかった。どっちみち透析のときには改めて検査が必要だからである。「体内は大変なことになっている。よく動いているね」と医師。本当は店へ出るのにすらとんでもない意志力を必要としている。駐車場への往復もこれが出来なくなれば死のうとの悲壮な覚悟を持って当たっている。食欲がなく、背に腹は変えられず、近頃は外食に手を伸ばしている。
 尿素窒素(BUN) 73.3、クレアチニン(Cr) 8.23、尿酸(UA) 6.6、ナトリウム(Na)139、カリウム(K) 5.4、クロール(Cl) 103、カルシウム(Ca) 10.4。これが最新の値だが、前回よりは多少良くなっている。もっとも、良くなるはずがないのであって、「「少々良い」と言うよりは「悪くなっていない」と云う方が適切」と医師。
 土曜日に幹郎さん来店、相澤啓三さんの新詩集「冬至の薔薇」について語り合った。相澤さんの詩集は常に遺書の形をとる。わたしは「冬至の薔薇」を読んで号泣した。いずれ書かなければならないが、生涯に一度か二度しか出会うことのない詩集である。詩の怖ろしさをわが身に刻み込まれる、そんなときである、八方塞がりのなかにあって、生きていてよかったと思うのは。


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2010年03月15日 21:39に投稿された記事のページです。

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