今週のオークションへの出品は二十点、おそらく残るのは一点か二点。梱包に困るので、手つかずなのがフレームとハンドルバーとホイールである。そして二階からサドルを引っ張り出したのだが、一緒にチューブラー(タイヤ)とスポークが山のように出てきた。タイヤの在庫にはミシュランのセタ(絹)が混じっている。プロが使うタイヤで一本が数万円もする。車の30パーセントのレーシングタイヤよりはるかに値が張る。スポークはすべてスイスのDTである。
フレームの方は大阪の知己が興味があるようで、気に入れば引き取りに来てくれるようである。アランの最高級車から住友金属がはじめて作ったチタニウムのフレーム、イタリアのポリアギやアラヤのトリプルバテッドのアルミフレームなどが残っている。
かつて東京にいた頃はロードに乗っていたが、明石では小径のチューブラーに乗っていた。理由はふたつあって、ひとつは何時も酔っ払っているので両脚がしっかり地面につかないと危なっかしい、今ひとつは街灯がなく道が暗くて頻繁に溜め池や畑へ突っ込んでいた。要は高級車に乗られない理由があったのである。今はなきやまちゃん(炉端焼き)の帰りに田圃へ突っ込み、食用蛙を押し潰して恨みを買った。高麗苑(焼肉屋)の帰りに明石城の横で顛倒、カンパニョーロのリアディレイラーを壊してしまった。その焼肉屋の店主は愛車のジャガーで田圃へ突撃、車は天井を下にひっくり返った。酒にまつわる武勇伝は数限りないが、こちらは掲示板で何度か触れている。
その小径の自転車だが、拙宅の倉庫で眠っている。整理しようと覗いたところ、ペダルにゼウスのチタニウムが付いている。磨けば高値で売れそうである。とんだところでオークション付いたものである。
追記
住友金属と書いたが、神戸製鋼所の間違い。