オークファンで調べてこの三年間に見掛けないものを優先的に出品した。ほとんどが6、70年代のカンパニョーロ、ストロングライト、TAなどのサイクルパーツである。内一点はアクセス数が500を超えた。大変な数であるにもかかわらず、入札は半数。オークションの世界までもが不景気なのかと驚いている。
売れなかったものは一巡すれば再出品すればよいのであって、安売りはする気もない。なにが売れるか分からないので、次回はブルックスをはじめとする60年代の革製のサドルを出品しようかと思う。こちらの在庫は十個ほどだが、輸入元でひとつずつチェックして購入している。ただ、当時は銅鋲を用いているので錆がひどく、磨くのが大事である。
先日、出品したカンパのトリプルクランクセットは、必要だろうと思ってボトムブラケットも付けた。トリプル用BBには117ミリ(ロード)と122ミリ(ランドナー)の二種があって、そのことに対して質問があった。しかし、これは応えられない質問である。今ではコロンバスのトリプルバテッドが中心だが、昔の自転車はレイノルズのパイプを使っている。フレームの硬度が変わっただけでなく、スケルトンそのものが変わっている。要はコンパクトに短く立ってきたのである。そして問題はエンド幅が広くなったことである。現今のフレームサイズでは117ミリのBBは使い物になるまい。
かつてのアランやビチューのアルミフレーム同様、レイノルズ531のフレームは柔らかくしなり、素人にも乗りやすい自転車だった。ところが、今では素人がツール・ド・フランスでプロが乗る自転車に乗っている。ちなみに、フロントのアウターは49Tでも下りで100キロまでは軽く踏める。わたしは46Tを使っていたが、それでも平地で60キロまでは大丈夫である。選手が使うような53Tは脚を痛めるだけである。それでなくてもフリーとチェーンが発達し、枚数も増えた。大きな歯数を用いるのでなく、脚の回転数を上げる訓練をする方が真当である。