一昨夜、稲葉真弓さんがすっぽんスープの罐詰を土産にいらした。雑炊にすると旨いらしい。そういえば、雑炊と茶漬けは食塩を嫌ってこの半年ほど食していない。成分表示によると他にナトリウムを摂らなければ大丈夫そうである。稲葉さんは薄めればと仰有っていたが、いくら薄めても全量飲めば同じことである。支那料理の出汁、饂飩・蕎麦の出汁、焼きそばソース等々、ことごとく定量の半分を用いている。すっぽんスープも二度に小分けし、水で薄めて雑炊にすればよい。
病は致し方ないが、それにしても元気だけはとの稲葉さんのお気持ちに感謝したい。彼女には黙っていたが、同世代で何人もの知己が癌で苦しんでいる。なかには余命を宣告された方もいる。過日、人は生きているあいだは元気である、と書いたのには万感の思いが籠められている。死の前日までみんな元気を装って生きている。それが解っているがゆえに、他人の健康状態については口を閉ざそうと思っている。