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恋愛の主張   一考   

 

 自称エロ子さんから電話があった。聞くところによると、夢にわたしが現れて今後はエロ子を名宣れと、それが遺言だったそうな。
 この話には触れがあって、気を紛らすために付けていたテレビで、弱点さらけ出しお見合い「運命の赤い糸」と称する番組に登場する独女、独男のあまりのばかばかしさに大笑いさせられたのである。カレーが好物で週に三、四回は食する。よってカレーの嫌いなひとは許されない。わたしの作る料理にケチをつけるひとは許されない。男性との外食では絶対に金は出さない。車狂いで、オートマ車に乗るようなひとは許されないの類いで、このような他愛ないことで伴侶を決めるのかと、そのこだわりのなさを笑いとばそうというのが番組の主旨とわたしは解した。
 犬好きは犬と結婚すればよく、カレー好きはカレーと結婚すればよい、そこで独女や独男が登場するからのお笑いであって、他意はいずれにもない。例えば、ちはらさんはちはらさんなりに自炊し、わたしはわたしなりに自炊している。食事などという甚だしく個人的なことを人任せにすればトラブルが起きるのは当たり前である。個人的な趣味、それが下着であろうが、剃毛であろうが、映画であろうが、文学であろうが、フィギアであろうが、マニュアル車であろうが、なんであろうが、個人の趣味は個人で楽しめばよろしいのであって、他人に強いるようなものではない。
 恋愛というものは個と個の違いを違いとして認識し、その差違を楽しむためのものである。言い換えれば、ひとに認識の幅、アプローチの多様さをもたらすものでなければならない。おそらく、もっとも優雅な形での自己解体が恋愛だろうとわたしは思っている。自らの主張や好みの理解を求めるなら恋愛なんぞしない方がよいに決まっている。
 さて、エロ子さんである。彼女によるとその呼び方は嫌ではないそうである。嫌でないどころか、いささかお気に召したそうな。ひとは無数の賓辞を抱えて生きる。ひとからひとつの賓辞を強いられて生きる、それを優雅な恋愛と呼べまいか。そんなところにも「oの物語」を読み解くヒントがある。


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2009年10月19日 20:49に投稿された記事のページです。

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