「一日の摂取量は1800キロカロリー、蛋白は上限が45グラム、塩分は5グラム、カリウムは1800ミリグラム」と前項で書いた。蕎麦であれ、饂飩であれ、サンドイッチであれ、丼ものであれ、お好み焼きであれ、外食すれば一食でいずれかの数値が超えてしまう。第一に白米が食べられなくなったのは辛い、味のないものを味気なく食べ続けている。昨日も浦和の病院からの帰り、腹拵えをしなくては仕事にならないと思ったが外食はできない、遠回りをして拙宅経由でですぺらへ行く。
店のお通しでナトリウムを使っていないものはない。スモーク類でなら焼き豚に直接塩は用いていない、しかしタレにはふんだんにナトリウムやカリウムが入っている。いかに簡単な料理とはいえ、味見せずに出すことはできない。もしも味見をすれば、拙宅での食事制限がさらにきついものになる。フードに関して迷い続けている理由である。松友さんが註文なさるピッザやウインナなら味見せずに出せる。この件に関しては何かしらの方策が必要である。
余談ながら、ウインナなら一本でわたしの一日の許容量を充たす。ヒデキさんがサラミソーセージを持ち込まれていたが、二枚食べればお終い、他には終日なにも食べられなくなってしまう。当分は持ち込み歓迎である。
クレアチニンと尿素窒素を除いて血液の状態はずいぶんと改善された、降圧剤のせいで血圧も正常値に戻っている。医師のいうことを聞かないわたしだが、だからこそ食事療法だけは守りたいと思っている。
昨日は駐車場から店までの一キロを松葉杖なしで歩いた。三十分を要したが、いずれ歩かなければならない。山崎医師が骨はまだついていないよと仰有っていたが、それを気にしていては何もできない。どうせ劃られた命である、ある程度の勝手はさせていただく。