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緩慢な死   一考   

 

 来週十一日のですぺら営業再開目差して、歩行訓練に明け暮れている。駐車場から店までの一キロが歩かれないと営業が覚束ないからである。
 末期腎不全の特徴のひとつに身体が疲れやすくなるというのがあるが、とにかく、よく寝るようになった。起きてる時間は八、九時間で他はずっと寝入ったままである。これではまるで寝るために生きているようなものである。腎不全に罹ったひとは為事ができなくなるというのがよく分かる。
 透析患者のブログを読んでいてひとつ気付いたことがある。誰も触れていないと云うことは個体差があるのかもしれないが、性欲についてである。わたしは2002年頃から急速に性欲が衰えていった。何時からとは書かないが、このところ数年は完全に性欲はなくなった。去年、四谷シモンさんと紀伊國屋書店でお会いし、若い女性と暮らしているといったところ、性欲はないでしょうと問われた。ないですねと応えたが、それは二重の罪を犯しているとの鋭い指摘を受けた。視力の衰えについてはすでに書いたが、これらはすべて腎不全に起因するようである。
 個体差があるので、なんとも云えないが、透析患者の半数は五年以内に死亡する。そして開始から十年以内にほとんどの患者は死亡する。なかには二十年を超えて透析を続けているひともいるが、それは例外であろう。そもそも腎不全は不可逆な病であり死の宣告である。医療技術の発達によって透析で生かされているが、基本的には人工呼吸器と同じく、人工腎臓(機械)につながれての延命に違いない。いずれにせよ、血液透析に入るのは余命のカウントダウンに入るのと同じことである。


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2009年08月08日 23:25に投稿された記事のページです。

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