慶應義塾大学病院で頂戴した痛み止めロキソリンと胃薬ムコスタ各一錠、それにワンアルファ半錠、ザイロリック一錠、クレストール一錠、ウラリット四錠、以上が当分のあいだ飲み続ける薬である。平成元年に怪しげな薬は断ったので、久しぶりの薬漬けである。
退院時の請求書を見ておどろいた。十六日からだからわずかに六日、それで店一箇月分の売上金額だった。手持ち資金では足りない、御見舞いとして頂戴した金数がなければ退院することすら叶わなかった。各位に満腔の謝意を表したく思う。
事前に値段が分からないのは問題である。それが嫌で、ですぺらは寡多録を拵えている。病院も入院、診断、投薬、食事等々のメニューを明示すべきである。慌てて、栄養指導やリハビリの予約を取り消した。骨折に関してはギブスさえ装着してもらえば後始末は自分でつけられる。
腎臓の機能障害を捨て置くとどうなるのか山崎医師に尋ねた。不整脈でポックリ死ぬそうな。それもまた、すこぶる個性的な死にざまではないか。余談だが、死にざまに倣って生きざまとの言葉が(ライフスタイル)の意で用いられる。しかも自嘲や否定でなく、近頃は肯定的な意味合いに遣う。わたしの辞書にはない言葉である。(22日)