麒麟麦酒から淡麗ダブルと称する発泡酒が発売された。プリン体が99パーセントカットされたビールである。プリン体の変わりにポリフェノールが添加され、アルコール度数は5.5度。主治医からプリン体を極力摂取しないようにと云われたのが去年の七月、バイク事故の折の精密検査で痛風が発覚したのである。爾来ビールを飲むのは憚られた。
酒というのは妙なもので、飲まれないとなると居たたまれなくなる。燗酒かウィスキーが好みで、ビールはあまり好きではなかったはずである。ところがそのビールがむやみと飲みたくなる。先日の文学散歩の時も、ちはらさんには内緒で周さんと生ビールを一杯だけ飲んだ。八箇月ぶりのビールだった。ころころと喉奥を通り過ぎてゆくきわやかな快感とはこのことである。
さて、淡麗ダブルである。昨夜、拙宅で飲んだのだが結構いける。カテゴリーでは第三のビールに属するらしいが、なんら遜色は見受けられない。あまりの旨さにステーキを焼き、腰を据えて二罐目を開けた。しばらくは淡麗ダブルへの礼讃がつづく。