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アンダーグラウンド   一考   

 

 よく似たひとを見つけたときどう思う。嬉しいね。
 でも、あなたは自分のことを好きじゃないでしょ。そうだね。
 どちらかと云えば自分のことを憎んでいるね。そうだね。
 それはジェネレーションの違いなの。関係ないよ。
 あなたは自分のことをどうでもよいと思っているでしょ。そうだね。
 あなたは自分に才能があるなんて思っていないでしょ。まったくね。
 無謬性なんてものも持ち合わせていないでしょ。謬りだらけだよ。
 あなたは明日のこと真剣に考えたことないでしょ。行き当たりばったりだね。
 よく今まで生きて来られたわねえ。厚志に甘んじて。
 あなたは人生に意味があるなんて思っていないでしょ。そうだね。
 あなたは恋愛なんてしたことないでしょ。そうだね。
 他人なんて死んでしまえと思っているでしょ。そうかもね。
 自分なんて死んだほうがいいと思っているでしょ。生きててもいいんじゃないの。
 他人も自分も同じなのね。そうだね。
 どうして表現者にならなかったの。編輯で結構。

 今日、ツィゴイネルワイゼンを観てきたの。あの作品をどう思う。
 生きることに筋書きはない、ならば映画にあってもね。筋書きのあるような作品はどうでもいい、この消息は映画に限らないが。要するに、異議は認めても意義も威儀も認めないね。ツィゴイネルワイゼンはその異議だけで成り立っている。原田芳雄がいいねえ。

 上記はちはらさんとのある日の会話。タイトルは私が勝手に付けた。どうしてこのような会話になったのか、その理由は彼女が早稲田松竹で鈴木清順の作品を観てきたからに他ならない。


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2009年02月02日 19:21に投稿された記事のページです。

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