事故を起こしたのは七月九日午前二時。その示談金がAIU保険会社から振り込まれた。外資系は対応が素早いと聞いていたのだが、結構もたついたようである。おそらく二輪の事故に馴れていなかったのであろう。パニアケースひとつ取ってみても、私の買値は六万六千円だったが、中古相場は八万円ほどする。物品は購入したときがもっとも高く、使用するにつれて値が下がるものだと言われても、世の中には下がらないものだってある。理由はメーカーのクラウザーの値上げであって、現行品は三十万円ほどする。ケースに支払われた金数は結局三万円だったが、これでは新たな購入は望むべくもない。
はかどらない理由がAIGの破綻かとも思ったが、損害保険に特化するそうで、AIGエジソン生命とAIGスター生命、アリコジャパンを含めた米アリコが売却されることになった。AIUやアメリカンホームダイレクトは残留である。
この十年ほど、四輪の保険はアメリカンホームダイレクトだった。ところがややこしい規約があって、複数台の車を持っている場合、保険の移動が効かない。それが理由で損保ジャパンへ切り換えた。二輪は免許を取得して以来、三井住友海上である。保険金の金額ではなく、どれだけ融通が利くかが私の場合は問題になる。件の規約はAIU、アメリカンホームダイレクト、アクサダイレクト、チューリッヒは同じである。値が安いというだけで外資系へ戻ることは二度とない。私が知るバイク乗りは複数台のバイクを乗り回している。もっとも対人無制限の任意保険に入っているのは私ぐらいなものだが。