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ですぺらモルト会解説   一考   

 

01 グレン・マレイ8年※
 43度の旧ディスティラリー・ボトル。2000本のリミテッド・エディション、80年代前半の蒸留という触れこみで出回った。
 1980年代ものと比してラベルに相違あり、イタリア市場向けのボトリングでないだろうか。いずれにせよ、「ワイン・メローイング・シリーズ」以前のストック商品。
 大麦の香り、フレッシュでソフトな風味。ライトな口当たりが印象的。ロングモーンがクラシックなら、グレン・マレイはモルト・ウィスキーの軽音楽。

02 グレン・マレイ・シャルドネ※
 40度のディスティラリー・ボトル。ノン・エイジだが7~8年熟成のモルト。
 フレッシュで軽く、ソフトで飲みやすいモルト。言い換えれば、個性に貧しく、パンチに欠ける。その個性を補うにワイン樽をフィニッシュに使用。本品はブルゴーニュの白ワイン主要品種シャルドネのリフィール・カスクを用う。
 ブレンダーの間では評価が高く、ほとんどがブレンド用に出荷されていたが、最近では12年物を中心にシングルモルトが数種類販売されている。
 カスク由来のシトラス、バナナ、蜂蜜、レモン風味があり、第一級の食前酒として人気がある。

03 グレン・マレイ・シュナンブラン12年※
 40度のディスティラリー・ボトル。
 上記と同様、シュナンブラン種のワイン樽をフィニッシュに用う。モルトの癖のなさが、逆に樽由来の果実味を際立たせている。他に16年ものもある。ウッドフィニッシュはグレンモーレンジ社のお家芸だが、本品はそのグレンマレイ版。
 なお、シェリー樽を用いたマネージャーズ・チョイスも頒されている。エド・ドットソンが特別に樽を選んだ限定シリーズで、サインとナンバリングが手書きで記載されている。高価だが美味なカスク・ストレングスである。

04 グレン・マレイ '89(シグナトリー)
 シェリー・バットの9年もの、59.5度のカスク・ストレングス。限定640本のシングル・カスク。
 インデペンデント・ボトラーのボトルでは加水タイプがイタリアのドナート社から、ケイデンヘッド社、シグナトリー社、ブラックアダー社、マキロップ社、マクダフ・インターナショナル社のザ・ゴールデン・カスク、SMWSからはカスク・ストレングスが頒布されている。グレン・モーレンジの姉妹会社だけあって、ボトラーには滅多に売らないようで、極端に少ない。
 上記マネージャーズ・チョイスと共に、本品は一押し。

05 グレンロセス '90(シグナトリー)
 アン・チルフィルタード・コレクションの一本。シェリー・バットの11年もの、46度。842本のシングル・カスク。
 シグナトリー社は1988年、リースで創業。現在はエディンバラに事務所兼倉庫を持ち、ボトリングから保管に至るすべての業務をを行う。「ダンイーダン」「サイレント・スティルズ」等、他では飲めない稀少なシングル・カスクが多い。ヨーロッパ向け限定商品として「アン・チルフィルタード・コレクション」がある。ラベルにはカスク・ナンバーやボトル・ナンバー等、詳細が著されてい、樽がもたらす個々の性格の違いが愉しめる。
 なお、現在頒されているカスク・ストレングス・コレクションはノー・チル・フィルターのフルフレーバー・シリーズで、寸胴型丸瓶のシリーズに変わるコレクション。

06 グレンロセス '90(マクギボン)
 プロヴァナンスの一本。シェリー・カスクの11年もの、43度。
 ダグラス・マクギボン社は1949年の創設。創業者は現在のオーナーの祖父にあたる。祖父はアイラで水没した蒸留所、ロッホインダールとポートシャーロットのマッシュハウスの責任者。現オーナーのスコッチウイスキーへの愛情とこだわりは、研修生としてブルイックラディ蒸留所で働いていた時代に育まれ、頑なにノーカラーリング、ノーチルフィルターリングを貫いている。ラベルの左側には彼らのシングルモルトウイスキーへのこだわり、そして右側にはテイスティングノートが著されている。春夏秋冬と蒸留したシーズンによって異なるラベルカラーと風景画を配している。

07 グレンロセス8年(ゴードン&マクファイル)
 マクファイル・コレクションの一本、40度。
 ゴードン&マクファイル社は1895年、当初食料品店としてエルギンで創業。ウィスキー産業がまだブレンデッド中心の頃から同社は世界に向けてボトルを輸出、モルト愛好家を魅了してやまなかった。謂わば独立瓶詰業者のさきがけであり、今日のモルト・ウィスキー人気の蔭の立て役者。1992年、ベンローマック蒸留所をユナイテッド・ディスティラーズ社より買収。豊富な在庫を用い、「コニッサーズ・チョイス」「マクファイルズ・コレクション」「マクファイル・プライベート・コレクション」「スピリッツ・オブ・スコットランド」「スペイモルト」「レア・オールド」等、多くのコレクションを頒している。1995年にボトリングされた「100周年記念ボトル」は総じて樽の選択がよく、美味なものが多いのでお薦め。また、「コニッサーズ・チョイス」は各地の蒸留所のモルト・ウィスキーを網羅、ユナイテッド・ディスティラーズ社の「クラシック・モルト・シリーズ」と共に入門編として最適。

08 グレンロセス '89(ウイルソン&モーガン)
 バレル・セレクションの一本。シェリー・ウッドの10年もの、46度。
 ウイルソン&モーガン社は古くからエディンバラに拠点を置きさまざまな樽をリリースしてきたイタリア資本の会社。謂わば、イタリア系ボトラーズ・ブランドの「はしり」ともいえる老舗で、ムーン・インポートやサマローリよりも幅広い支持を受けている。バレル・セレクションの名でコレクションを頒し、イタリア国内の三ツ星レストランやバーなどではよく知られた瓶詰業者となっている。

09 グレンロセス '87(ベリー・ブロス&ラッド)※
 11年もの、43度のディスティラリー・ボトル。
 1698年創業のベリー・ブロス&ラッド社は、カティーサークやブルーハンガーのプロデューサーとしても有名なロンドンの老舗酒商で、18世紀から現在までロイヤルファミリーにワインを供給している名門。マスターオブワインの資格者を常時雇用し、秀逸なワインやモルト・ウィスキーをベリーズ・オウン・セレクションとして販売。
 ロンドンのセントジェームスストリートにある本店は18世紀に建てられた古い建物で、香港のコーズウェイベイのリー・ガーデン(Lee Gardens)内に支店がある。セントジェームズストリートはホワイト・ブルックス、ブードルズといった古くからのジェントルマンズクラブが点在し、ジェントルマンの聖地(クラブランド)でとなっている。またセントジェームズパレスにも近く、同時にロンドンのクラフトマンシップの中心地でもある。通りの南側には8軒の老舗が集まっている。靴のジョン・ロブ、帽子のジェームズ・ロック、薬局のD・R・ハリス、銃砲のウイリアム・エバンス、世界最古の葉巻商ジェームズ・J・フォックスとロバート・ルイス、そしてワイン商のベリー・ブロス&ラッドとジャステリーニ&ブルックスである。

10 グレンロセス '87(ベリー・ブロス&ラッド)※
 15年もの、43度のディスティラリー・ボトル。
 ローゼス地区を代表する食後酒。ブレンダーの間で夙に高い評価を受ける。カティサーク、フェイマス・グラウスの原酒モルトのひとつ。レーズンの香り、シェリー酒の風味。こくに奥行きがありオイリー、シルクのようにスムース。柔らかい甘味が残るフィニッシュ。

11 グレンロセス '82(ベリー・ブロス&ラッド)※
 15年もの、43度のディスティラリー・ボトル。
 グレンダランと比してクリーム・ブリュレを思わせる香りが濃厚、プリンにつきもののカラメルを舐めるような甘さがある。本品は蒸留所元詰めのグレンロセスの定番。実に多くのヴィンテージが頒されている。72年以降は入手可能だったが、現在ではベリー・ブラザーズ&ラッド社の手を離れた。

12 クレンロセス '89(ジェームズ・マッカーサー)
 オールド・マスターズの一本。バーボン・カスクの11年もの、64.7度のカスク・ストレングスにしてシングル・カスク。
 ジェームズ・マッカーサー社は1982年、エディンバラで創業したボトラー。主として、閉鎖された蒸留所のモルト・ウィスキーを取リ扱う。他に「ファイン・モルト・セレクション」等がある。


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2008年09月26日 21:57に投稿された記事のページです。

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