ドイツのリンブルグにはじまったウィスキー・フェアが人気を博している。会場向けのボトルが通年で売られるようになり、ウィスキー・フェアは全欧州へ拡がっている。そうして出来た新しいモルト・ウィスキーの客の四分の三がアイラ・モルトを嗜むという。それが理由でこのところアイラ・モルトが品薄である。アイラ島に八番目のキルホーマン蒸留所ができたのも、そのブームを見越してのことである。
ブームとは怖ろしいものでアイラ島以外の蒸留所もヘヴィリー・ピーテッド・モルトに力を入れはじめた。アイル・オブ・ジュラ、ベンリアック、キャパドニック、アードモア、ベンローマック、スキャパ、グレン・スコシア、ロングロウなどである。もっとも、ロングロウは昔からだが。それに今までヘヴィリー・ピーテッド・モルトを造っていなかったブナハーヴン、ポート・シャーロット(ブルイックラディ蒸留所)、かてて加えるに山崎、白州、それで計十二種類となる。山崎、白州の変わりにブレッヒンとリンブルグのアードベッグでもかまわない。
次回のモルト会は題して「煙を飲む」、田中屋の栗林さんのアイデアであり、彼の協力を得ることになった。