昨日は拙宅で水道工事があった。築三、四十年は経た家なので、金属パイプを用いている。それが錆び付いて水の出が悪くなっていたのである。二階のトイレは完全に使用不可、洗濯機は一回の洗濯に三時間ほど掛かっていた。もっとも、全自動なので、打っちゃっておけば明日には出来上っている。騒いだり狼狽える必要はどこにもないのだが、女性がいるとなるとそうも行かない。女性はやはり生活の段取りを考える、もしくはかつての生活と比較する。以前はシャワーの勢いがもっとよかったのに、洗濯は三十分で脱水まで済んでいたのに、貴方がトイレを使ったあとは水が貯るのに二十分もかかる、の類いである。
金属パイプの内側の直径が狭まっているのも理由の一つだが、各種器具の繋ぎにはフィルターが付いている。そのフィルターの目詰まりが酷かったのである。バケツで四杯ほどの真っ赤な泥水が出てきた。そう言えば、この十年、掃除はなにもしていない。フィルターやパッキンの掃除や補修ぐらいは自分でやらなければいけないようである。
マンションの屋上に設けられた貯水槽は毎年掃除が必要である。二年も捨て置けば、珪藻と藍藻、要するにデトリタスが大量に発生する。貯水槽ではなく、給水管の場合でも、錆、雑菌、スライム(ヘドロのような汚れ)が発生し増殖する。水が不味いという前に、しかるべき管理が必要であると痛感させられた。