白檀やペパーミントの香りがするウィスキーといえば、グレンロッシーかロイヤル・ロッホナガーである。そのロッホナガー蒸留所は1845年、地元の資産家ジョン・ベグが設立した。1916年にジョン・デュワー&サンズ社に買い取られ、1925年にDCLの手に渡った。1930年からはSMD、現UDの運営となり、現在UDVの傘下にある。蒸留所の由来や詳細は検索していただくとして、ポットスチルはストレート・ヘッド型が二基、年間生産量は37万リットルの小さな蒸留所である。
蒸留所が頒するロッホナガー・セレクテッド・リザーヴはディアジオ社(UDV)傘下のオフィシャル・ボトルのなかでは最も高額なボトルである。それ故、いままではですぺらでは扱っていなかった。そのようなモルト・ウィスキーはホテルのバーに任せていたのである。今回、某酒屋の協力で少々安く購入できたので、早速モルト会を催すことにした。二十六日(土曜日)はグレンロッシーとロイヤル・ロッホナガーを中心に十種類の植物系ウィスキーの香味を愉しんでいただく。なお、モルト会のため、二十六日は貸切にする。
序でに、ロイヤル・ロッホナガーの過去のボトルを紹介する。
ロイヤル・ロッホナガー12年 40度(DB)
ディスティラリー・ボトル。シェリー樽を含むセカンドフィルのカスクで熟成。ヴィクトリア女王が愛飲した王室御用達ウィスキー。気稟のよさを感じさせる清冽かつ閑雅な味わい。VAT69やジョン・ベグ・ブルーキャップ、ジョニー・ウォーカー青、黒の原酒モルト。
スムースかつクリーミーなフル・ボディ。ペパーミントのエレガントにして涼やかな香り。フィニッシュはややドライ、暖かみのある切れ上がりが長く続く。
ロイヤル・ロッホナガー・セレクテッド・リザーヴ 43度 (DB)
ディスティラリー・ボトル。年数表示のないプレミアム・エディション。50%がファーストフィルのシェリー樽にて熟成。ただし、熟成に必要な樽の確保が困難になり、現在ではボトリングされていない。熟成年数の表示が無いのは、選ばれた複数の樽から造られており、ボトリング毎に熟成年数が異なるからである。
シェリー樽由来の芳醇な香り、ファーストフィルを半分に限ったところから苦みは一切ない。香りはリッチで、バニラ香、ナッツ香、ミント香が強くクリーミー。フィニッシュは長く、僅かにスパイシーで非常になめらか。
ロイヤル・ロッホナガー 98年蒸留 06年ボトリング 8年 43度 シェリーカスク(ジャン・ボワイエ)
ベスト・カスク・オブ・スコットランドの一本。ボトラーズ・ボトルとしてはダグラス・レインに継ぐ。
ロイヤル・ロッホナガー 88年蒸留 15年もの 59.0度(ダグラス・レイン)
ボトル名はグレンデニー、ハンター・ハミルトンのリリース。
ロイヤル・ロッホナガー 73年蒸留 29年もの 50.0度 276本(ダグラス・レイン)
オールド・モルト・カスクの一本。
ロイヤル・ロッホナガー 73年蒸留 28年もの 50.0度(ダグラス・レイン)
オールド・モルト・カスクの一本。
ロイヤル・ロッホナガー 71年蒸留 01年ボトリング 30年もの 46.4度 212本(ダグラス・レイン)
オールド&レアの一本。
ロイヤル・ロッホナガー 74年蒸留 04年ボトリング 30年もの 56.2度 リフィール・オーク(UDV)
レアモルトの一本。ロッホナガーのカスク・ストレングスは本品のみ。
ロイヤル・ロッホナガー 73年蒸留 97年ボトリング 23年もの 59.7度(UDV)
レアモルトの一本。
ロイヤル・ロッホナガー 72年蒸留 97年ボトリング 24年もの 55.7度(UDV)
レアモルトの一本。