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ルンプロとルンルン   一考   

 

 ボア付きの長靴を買った、これで雨天のバイク乗車が可能になる。足先が暖かいので嬉しい。先々週は連荘(麻雀用語だとりきさんから教わった)で雨に打たれて靴はびしょ濡れ、乾かす暇がなく濡れたまま履く。足が冷たくて考え事ができない、というよりも考えを纏めることがかなわなかった。
 素足の松山さんを想起する。芭蕉から秋成、馬琴を経て明治末まで文筆で飯は喰えなかった。漱石あたりから原稿料や印税がやっと安定するに至る。もっとも、それには漱石のいささか姑息な算段あり、正月に各社の編輯者を集めての入札会を催したという。漱石が獲得した三割五分の印税に嫉妬した秋江が詳細を記述している。
 ルンペンプロレタリアート、略称ルンプロとのマルクス主義の用語があった。ファシズムの手兵として利用もされたが、そちらについては触れない。襤褸を纏い、仕事につかず、就業の意思なく、定住せず、塵あさり、物乞、ときには犯罪、売春などでその日の糧を得る。他人の救護のみに頼って生活し、相対的過剰人口からも落ちこぼれた極貧層である。ルンペンのさらなるルンペンをルンルンという。こちらは至って享楽主義的で金のないのを謳歌する。ルンプロとの違いは身なりがよく、教養もあり、ときとして非凡な才能を持つ。肉体労働だが、ちゃんとした職業を持つ。その職業の名は男妾、別名を物書きと称す。昔、新世から更新世に広く分布したジゴロフォドンという長鼻類がいたが、現代のジゴロとの関連はない。


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2007年11月30日 16:21に投稿された記事のページです。

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