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謎の美少女   一考   

 

 詩のボクシングのスタッフが連荘(れんちゃん)でいらした(連荘は勝手に変換されたのだが、麻雀用語であろうか、私には理解できない用語である。ただ面白いのでそのまま用いる)。気持の良い方々で、ご紹介いただいた幹郎さんに感謝せねばならない。
 摂食障害のひとが彼等にかかると謎の美少女となる。殊更に彼女を話題にするつもりはないが、謎の美少女の「謎」には興味がある。正体が分からないのを謎とする。この場合の謎は正体があるのを前提にしている。しかし、前提を外せばどうなるのか。要するに、正体がなければどうなるのか。
 例え正体不明であっても人はひとである。また、正体だと思っているのは本人だけで、他人から見ればそうでないこともある。その逆もある。さらに、人に正体があるとは限らない。ありそうでないのが正体で、ある日突然にあなたの正体はと問いつめられれば、誰だって返答に窮する。そして大方は属性概念で応えるのを常とする。この場合は「美少女」である。
 ところでデカルトによれば、実体のもつ本質的な性質は、物体と精神という二実体の属性をいうらしい。これでは端から実体が二分割されている。もっとも、二分割されようが、三分割されようが一向にかまわない。哲学とは概して便宜的なものである。「それを否定すれば事物の存在そのものも否定されてしまうような性質。それなしにはある事物を考えられないような性質」は好きなだけ分割すればよい、私の知ったことではない。
 さような分割よりも、正体すなわち本当の姿といったものがあるのなら偽の姿もあると切り返すのが私の好みである。しかし、それでははなしが長くなる。ここで触れたいのは正体の持ち合わせについてである。
 さて、正体への観察は謎を招来する。謎は謎を呼び、やがて世界は謎だらけになってゆく。にんまりとほくそ笑むデカルトとスピノザ、どうやら罠に嵌まったようである。「謎の美少女」とはひとつの単語であって、分割不可能な属性概念だった。


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2007年11月29日 15:17に投稿された記事のページです。

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