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夏休み   一考   

 

 「冷蔵庫に入れきれなかった日本酒を」飲み干し、もっか冷蔵庫に収納した日本酒を片端から片づけている。二十四日からの十日間でビール二ケースと五本の一升瓶が空になり、残りは二本、そのあとは焼酎が控えている。さらに無用になったウィスキーが数十本鎮座している。肴は冷凍庫二本分あって、こちらも到底食べ尽くせる量ではない。飲んでは寝、起きては酒を繰り返す夏休みに、うれしい悲鳴をあげている。「ご苦労だった」(?!)搬出組のみなさんをお誘いしようかと思っている。

 ですぺら掲示板を全部読んだという二人目の奇特なひとが現れた。乞われるがままに註釈を加えているが、すでに六日を数える。曖昧なものに対するはなし、目に見えないメタフィジックな話はとりわけ私の好むところである。酒を飲みながら、ひたすら喋りつづけている。
 一昨日はそのひとに車を西麻布まで回送していただき、久しぶりにスーパースタジオを訪ねた。過日ツール・ドゥ・フランスを上梓してくださった斎藤さんが営むデザイン会社で、読売時代からの付き合いである。ですぺら赤坂店をコーディネートしてくださった方でもあり、不本意な結果に終わったことを謝りに行ったのである。
 千駄ヶ谷で活鱧の湯引きと鰯、鮎などを馳走になりながら、営業方針の拙さを語り合った。モルト・ウィスキーを輝かせようと思うのなら食べ物は置くべきではなかった。なによりも食べながら飲めば、酒の香味はまったく分からなくなる。酒通は飲んでいる横で食されるのを一番嫌がる。二番目に嫌がるのが横でのお喋りである等々、痛いところをさんざん突かれた。モルト・ウィスキーは庶民が飲む酒ではない、コニャックのアーリーランテッド同様、超高級なものなのであって、しかるべき演出がなされなかったことが最大の敗因である。あれでは食堂かダイニングバーかショットバーかの判断がつかない。そもそも、モルト・ウィスキーを飲んでいる傍でチューハイを出したりお好み焼きを出すなど、なにを考えているのかと叱責された。
 言われるまでもなく、こころを傷めてきたことばかりである。それが理由でやる気をなくし、パソコンにしがみつくことになってしまった。相方が腹を立てたのも私の職場放棄に理由の過多があった。「みすじ通りの新規出店が間違いなく最後の機会になる、こころせよ」とのありがたいお言葉に返す言葉もなく悄悄と帰路についた。


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2007年07月04日 13:01に投稿された記事のページです。

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