しばらくお休みにするつもりが、淡路から小包が着いた。中身は佐野港の高田水産のちりめん、送り主は陶芸家の太田守さん。当地ではちりめん漁の解禁は四月下旬、いまが最盛期である。地元のひとが撰んだだけあって、すばらしく美味。塩味と苦み、天日干し由来のそこはかとなく漂う甘味、縮緬山椒のために仕入れたときの各地のちりめんを軽く凌駕している。なによりも、かくまで小形のちりめんがあろうかと思われるほど小さく、かつ大きさが揃えられている。さっそく箱ごと凍結した。
ちりめんの入荷にともなって京都から生山椒を取り寄せなければならない。五里霧中の新店舗のお通しはこれで決まった。生きていてよかったと思える贈り物である。太田さん、ありがとうございました。