ヤフオク落札分の梱包発送を済ませ、帰りしなにスーパーへ寄る。ヒラメの縁側だけが売っていたので買って帰る。刺身でさっそく頂戴する、美味。
かつて北海道を旅していたころ、烏鰈(からすがれい)もしくは銀ガレイの縁側が大量に売られてい、安かったので贖ったことがある。一口食って吐き出し、焼けばどうだろうかとストーヴ(アウトドアではコンロをストーヴという、ではストーヴはと云えばやはりストーヴである)にかけると、燃え上がり溶け出してしまった。おかげでストーヴは滅茶苦茶に穢れてしまった。
後年、この縁側が本州の回転寿司にも押し寄せ、当初はあろうことに「ヒラメの縁側」として売られていた。やがて規制を受け、ヒラメの縁側は「ヒラメの縁側」に、カレイの縁側は「エンガワ」として売られるようになった。回転寿司のインチキ商品の筆頭だった。
烏鰈は、かつては北洋で大量に獲れ、缶詰や加工品となっていた。皮の下は全身脂といった状態で、熱を通すと溶け出してくるのは前述したとおり。その脂たるや、水臭く下卑た味で、どのように処理しても食えたものでない。昨今、スーパーなどで冷凍フィレやカレイの縁側醤油煮込みの缶詰が売られているが、わたしは奨めない。