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合鴨と三協食鳥   一考   

 

 川口さんがスモーク罐を修理してくださったので、燻製をはじめようかと、合鴨を探しに出掛けた。タイもしくはマレーシア産チェリバレー種の合鴨が目的である。国産は大半がチェリバレー種だが、とりわけ京鴨が有名、しかし高すぎて使えない。

 水禽の放し飼い農法は昔からあって、安土桃山時代には除虫と番鳥を兼ね、豊臣秀吉が水田でのアヒルの放し飼いを奨励したとされる。しかし、江戸時代に途絶え、下って稲作に農薬を使うようになった1960年代以降、アヒルが農薬で死ぬようになったために廃れてしまった。
 1990年代に這入って「合鴨水稲同時作」を確立、全国合鴨水稲会が設立。しかし、捕食圧による生態系や生物多様性への悪影響が問題になり、思うほどには進んでいない。
 また、日本では冬場の鴨鍋を除くと消費量が極端に少ないため、出荷ルートの確保が課題とされる。現状は合鴨農法を営む農家の近隣のレストランや蕎麦屋で細々と消費されるにとどまっている。

 チェリバレー種の特長はバルバリー種(日本でフランス鴨と呼ばれる品種)より肉組織が緻密でコクが強い。肉質は柔らかく、鶏の肉より赤身が強いのが特長。皮下脂肪が厚く、エネルギーは高いが、不飽和脂肪酸を多量に含んでいるので、脂肪は淡白で風味が良い。
 昔、中野の弥生町で住んでいたが、そこで食べたバルバリー種が堅くて閉口した。なかにはフォアグラを採った後のアヒルを合鴨のもも肉として炒め物に使っており、こちらも閉口である。ちなみに、紅茶鴨やハーブ鴨と称するチェリバレー種のブランド品が出回っているが、全く意味のない商品である。
 今日ではガチョウ以外にアヒルのフォアグラも作られてい、野生的な味がガチョウのものと異なるものとして評価されている。日本におけるフランス料理用語では野生のカモと野生のマガモを家畜化したアヒルを訳し分けない慣行であるため、アヒルも「鴨」と表記される。

 肝心の合鴨だが、拙宅の近所の王塚台に三協食鳥神戸支店があった。合鴨から廃鶏まで、大概のものなら入手できそうである。合鴨ロース1枚(250グラム)が400円ほど。市価の三分の一で入手できる。


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2017年03月01日 01:26に投稿された記事のページです。

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