「生田耕作と共に奢都館を運営していた渡辺一考旧蔵の山本六三銅版画25枚一括」というのがヤフオクに出品され、939,000円の値が付いていた。
間違いなく拙宅から持ち出されたものであり、それではその他の現代作家の版画、木版、シルクスクリーン等など、100枚を超える絵画はどこへ消えたのであろうか。わたし宛の生田耕作の原稿がやはりヤフオクへ出品されたのは確認したが、それでは日夏耿之介の原稿や端書、書翰の類は何処へ消えたのか。
蔵書の整理に際して、相澤啓三、高橋睦郎、佐々木幹郎さんの著書ならびに私物は一切手を付けないように、との約束だった。ところが、この条件はまったく守られなかった。
喧嘩はしたくないので、古書店を叱責する気はないが、そのような関係ではなかったのにと残念に思う。間違えて持って帰ったにしても、彼は購入した商品は一点ずつ確認する。その段階で返してほしかった。最後ということで、いい加減な扱いを受けたとすれば、わたしにひとを見る目がなかったのであろう。
ヤフオクの出品者は「非常な高額で購入しているため、大変申し訳ありませんが、終了直前に値段が安かった場合取り消します」と記述しているが、当方は4000冊の蔵書に上記版画をはじめとする私物すべてでヤフオクの落札価格の2倍だった。「高く買い、安く売るにぞはれるやの」と、かつて九州で名を馳せた古本屋があったが、神保町にそのような古書店はなかったようである。
追記
水葬物語の初版以外、塚本本は揃っていたし、全冊署名識語入りだったのだが。