風邪を抜きたいので禁食が続いている。入院時の禁食ではなく、ある程度は自由にしている。例えば、朝はヤクルト、夜はアイスキャンデーといった感じ。腹は減っても、カロリーは十分である。今朝は汗ぐっしょりで目が覚めた。これで元に戻りそうである。
三郷のアパートのすぐ根際に、セレクション三郷店という昵懇の店があった。そこでうすいえんどうを見付けて歓んだ。東京では成城石井で一度見掛けただけだった。余談ながら、2008年春、成城石井卸売本部の東京ヨーロッパ貿易がウィスキーの輸入から撤退した。以降、成城石井は個性を失った。
明治時代にアメリカから入ってきた実えんどうが、大阪府羽曳野市碓井(はびきのしうすい)で、栽培されたのがうすいえんどうの名の由来。それが枝分かれして関西に拡がり、京都の割烹は丹波篠山のうすいえんどうを、大阪の割烹は和歌山のうすいえんどうを用い、豆ごはんや卵とじ、うすい豆腐を造る。
和歌山のうすいえんどうは4月末、ちょうど今が旬である。当地のスーパーはどこへ行っても積み上げている。丹波篠山のそれは少し遅れて5月下旬になる。実山椒、山蕗、蕨などと共に、春を彩る旬野菜である。
豆ごはんのコツをひとつ。豆をとった鞘を茹でて出汁をとり、その出汁でご飯を炊くこと。
豆をご飯と一緒に炊くと豆の鮮やかさが失われる。豆は別途1分ほど茹でて炊きあがったご飯と混ぜる。それゆえ、豆の出汁は鞘から取るのである。愕くほど香り高く、深い甘みのある出汁が取れる。今日は拙宅は豆ご飯である。