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少年A   一考   

 

 兵庫県明石市の泉房穂市長は19日、神戸市の児童連続殺傷事件の加害男性による手記「絶歌」について、明石市犯罪被害者支援条例で2次的被害の防止を定めた規定に基づき、市内の書店や市民に対して配慮を要請、「個人の思いとしては売らないでほしいし、買わないでほしい」との考えを示唆した。内心では、日本版「サムの息子法」を求めているようである。
 坂上忍、松本人志、テリー伊藤、杉村太蔵と云った塵芥のようなタレントが「絶歌」を批判しているが、「元少年A」は現行法に則って罪を償ったとわたしは理解する。日本国憲法ならびに既存の法律では表現の自由も出版の自由も認められている。それを承知で坂上はフジテレビ系「ワイドナショー」で、「“表現の自由”がよく分からなくなった」と語る。
 わたしは発想の原点に個を置かないひとを保守反動とする。それゆえ、政治家や芸能人は保守そのものと解釈している。坂上の論理を展開してゆけば、戦争を熱狂的に支持した戦前の民衆へと行き着く。
 「絶歌」には加害男性の殺害行為が克明に記されている個所がある。それゆえ、遺族が精神的苦痛を受けたとして損害賠償を求めることができる。元少年Aに表現の自由があるとするなら、遺族にはそれを不法行為として訴訟を起こすことが可能である。いずれにせよ、法の名の下において平等でなければならない。泉市長や坂上のごとく、日本国憲法ならびに既存の法律に疑義を挟むようなことはあってはならない。

追記
 もっかのところ、「絶歌」全文がネット上で公開されている。当然違法な行為であり、早晩削除されると思う。


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2015年06月26日 01:08に投稿された記事のページです。

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