わたしは昔から敬虔な林檎教信徒である。林檎神が与えたもうた試練を乗り越えて今なおMacユーザーであり続けている。しかし、チョコに関してはオレンジ教信徒に早変わりする。誰がなんと云おうが、オレンジピールチョコ(オランジェット)のファンなのである。
赤坂にいたころは近くの菓子店(銀座コージーコーナーの支店)で買っていたが、引っ越してからは不自由している。もっとも、花の都三宮ならいくらでもあるのだろうが、チョコレートのために三宮まで行くのは勘弁願いたい。明石にも淡路にも有名店はあるのだが、わたしに云わせるとひどく不味い。
オレンジの皮を砂糖で煮たのがオレンジピール、それをチョコレートでコーティングしたのがオランジェットである。チョコはともかく、問題はオレンジピールの作り方でないだろうか。流行なのか、最近は甜く柔らかく煮込んでいるものが多い。バレンシア産オレンジに固有の苦みが生かされていない、と云うよりも、国産のオレンジの皮を用いたものが多数を占めるようである。
銀座コージーコーナーは不二家のような総合菓子店で、決して個性的な店ではない。しかし、オランジェットだけはわたしの口に合う。最近、御影にできたようだが。
余談ながら、銀座コージーコーナー阪神・御影は昔、山本六三さんと広政かをるさんが住んでいたところである。6畳と8畳のアトリエに3畳の台所、わたしの故兄が作った風呂の小さな建物で、部屋から御影中学校の運動場が見えた。見えたと云うより、隣接していた。現在は立派な道路になっているが、このようなものはなかった。二人とも亡くなったが、十代の頃は通い詰めた場所だった。
追記
風呂のリフォームに掛かった費用は六さんがポーカーで取り返していた。彼はポーカーの名手で、遊びに来る友人はみな餌食にされていた。