病院の日曜日の夜食(よるしょく)はみそ漬焼、まだ、名無しのさかな料理がつづいている。拙宅へ戻った土曜日の夜食はカレーとかで頗る人気があったらしい。爺さん、婆さんであってもカレーが持て囃されるとは不思議な気がする。隣の爺さんがピーマンが嫌いらしく、看護師にピーマンを抜けと小言を云っている。ピーマンが嫌いなのは子供の筈なのだが。その横の爺さんは牛乳が苦手らしく、ヨーグルトに取替えろと文句を云っている。あきれた老人たちである。本来非日常であるべき病院へ日常を持ち込んでいる。70歳代や80歳代ですら好き嫌いが口の端にのぼるとは。食事の世界でも世代交代が進んでいるのだろうか。