三大うどんというのがあって、五島(長崎)、稲庭(秋田)、水沢(群馬)、または讃岐(香川)を指すようである。うち、五島と稲庭は手延べなので他とは製法が異なる。同じ手延べとして、氷見(富山)と鴨方(岡山)がある。鴨方は備中うどんとも云い、生産量は日本一。
三大云々は日本人の得意とするところだが、手延べと手打ちを一緒に語るのは失礼でないだろうか。手打ちは蕎麦切りならぬ饂飩切り(切麦)で、包丁を使うところが手延べと異なる。手延べうどんは手打ちうどんの十数倍の手間と時間を要する。かつ讃岐のように太くなく、細いにもかかわらずこしが強い。細いぶん、出汁のからみがよく、五島のアゴ、稲庭の比内地鶏などが生きてくる。